新任姉妹教師、神月みさき、神月ゆかり――。
共に好成績で大学を出た二人は、この春、無事に教師として私立西徳学園に迎えられた。首都圏でも比較的進学率の高い男子校である。
神月家旧知の理事長の肝煎りで、しかも女性教師。これは……と学園内は密かに色めきたった。
西徳学園には或るひとつの噂がある。
――姉弟制度。
そう通称されている特殊な習わし。
男子ばかりの学内では、たいてい経験の浅い女性教師はどうしていいかわからなくなって、つまずいてしまう。
そういったトラブルを未然に防ぎ、また教師としての心を育むため、特定の男子生徒を『弟』として指導させるシステムである。
そうして新任女性教師に男子校独特の空気に慣れてもらい、多くの生徒を指導する指標とさせる――。
この姉弟制度は、教師からの指名を生徒が受ける形を取るため、必然、両者の関係は深いものになるケースが多い。
その形は様々だが、生徒の間でもそういった噂をひとつの楽しみとするのが西徳学園の非公式な伝統だった。
しかし……。
みさきとゆかりは、偶然にも同じ男子を指名してしまう。当然、一人の生徒に『姉』が複数いることはよろしくない。 理事長は「どちらが彼を弟にするか、半月以内に決めるように」と二人に言い渡した。
「最終的に彼に気に入られた方が、姉になる」
決着方法を決めた二人。
教師としての成熟を目的としたシステムだったが、相手に気に入られようとするあまり、段々と行為はエスカレートしていって……。


















